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女性ホルモンが乳腺に与える影響は大きい!乳がんリスクを避けるための必要なこと

女性ホルモンと乳腺の病気には深い関係があります。ホルモンバランスの乱れは、乳がんの原因になることもあるため注意が必要です。ここでは、女性ホルモンと乳腺の病気の関係をご紹介しています。乳房に現れる症状についてチェックしていきましょう。

女性ホルモンとは

女性ホルモンとは、妊娠と出産ができる体を作るために、脳の脳下垂体から指令を受けて卵巣から分泌される2種類のホルモンのことを言います。

エストロゲン

エストロゲンは、生理の終盤から排卵前にかけて多く分泌される女性ホルモンです。エストロゲンの分泌量が多い時期は卵胞期といい、エストロゲンは、別名を卵胞ホルモンとも呼ばれています。エストロゲンには、女性らしい体を作り、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるとともに、皮膚、骨、自律神経など体の働きにも大きく関わり、健康を維持するために重要な役割があります。

プロゲステロン

プロゲステロンは、排卵後から次の生理が始まるまでの期間に多く分泌される女性ホルモンです。この時期は黄体期といい、プロゲステロンは別名を黄体ホルモンと呼ばれています。プロゲステロンは、子宮内膜を整えて受精卵が着床しやすく妊娠が継続できるように助ける役割があります。プロゲステロンの働きで基礎体温が高くなることから、月経前症候群(PMS)となり生理前に腹痛や頭痛などの体調不良を起こす原因にもなります。

乳腺とは

次に乳腺とはどういうものなのか、その仕組みについて見てみましょう。

母乳を分泌する腺組織

乳腺は出産時に乳汁(母乳)を作り分泌をする腺組織の一つです。乳腺は、主に母乳を作る小葉と母乳を乳頭まで運ぶ乳管で構成されています。

小さな乳腺葉が配列されている

乳房の内側は15~20個ほどの乳腺葉で形成されており、それぞれがもつ乳管が乳頭に連なっています。

女性ホルモンが乳腺に与える影響

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乳腺の発達には女性ホルモンの働きが深く関わっています。ここからは、女性ホルモンがあたえる影響と乳腺の変化をご紹介します。

乳腺は思春期以降に発達

女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、第2次性徴の思春期を迎えると卵巣から分泌される量が急増します。この女性ホルモンの分泌量が増えたことで、乳腺は発達して乳房がふくらんできます。

妊娠で完成

妊娠をして胎盤が形成されると、そこからエストロゲンとプロゲステロンが多量に分泌されます。妊娠による女性ホルモンの影響で乳腺は著しく成長して完成します。

バランスが乱れると病気にも

乳腺は30代後半の年齢になると発達が終わり退縮期に入ります。これはエストロゲンとプロゲステロンの減少期と重なっており、断続的に退縮をして50代を迎えるころには乳腺が脂肪に置き換わると言われます。更年期には乳房の痛みを感じることもあり、ホルモンバランスが乱れる時期は、乳腺の病気を引き起こすこともあります。

乳腺に関わる病気・症状

乳腺に関わる病気はいつくか種類があります。主な乳腺の病気とその特徴を見てみましょう。

乳腺炎

乳腺炎とは乳腺がつまって炎症が起こる病気です。乳腺炎になると、乳房が腫れて赤くなり、痛み、しこり、発熱などの症状が出ます。乳腺炎には主に2つのタイプがあり、乳腺に母乳が溜まることで発症する急性うっ滞性乳腺炎と、細菌による感染で乳腺が炎症する急性化膿性乳腺炎があります。急性うっ滞性乳腺炎は初産婦に多くみられることが特徴です。

乳腺症

乳腺症とは、女性ホルモンのバランスが乱れたことで起こる乳腺の変化の総称を言います。乳腺症ははっきりした病気ではなく、女性ホルモンの分泌量が減少してくる30~50代の女性にはめずらしくない良性疾患です。乳腺症の主な症状は、生理前になると乳房が痛くなり生理後は痛みが和らいでいきます。また、閉経後は自然に症状が現れなくなることも特徴の一つです。

乳腺線維腺腫

乳腺線維腺腫とは、思春期~20代の女性にみられる、乳房にしこりができる病気です。乳腺線維腺腫は、乳房の乳腺と繊維組織が増えることでできる良性の腫瘍ですが、乳腺線維腺腫が形成されるメカニズムはまだ明確になっていません。ただし、10代に多く発症することから、この年代に急増する女性ホルモンの影響が考えられます。

乳がん

乳がんとは、乳腺にできる悪性腫瘍のことです。乳がんができる部位は、母乳が通る乳管と母乳を作る小葉ですが、ほとんどの場合が乳管で見つかっています。乳がんは、大きく分類すると非浸潤がんと浸潤がんに分かれます。それぞれの違いは、非浸潤がんはがん細胞が発生した乳管や小葉にとどまりますが、浸潤がんは、がん細胞が増殖しながら血管やリンパ管に侵入して全身に運ばれ転移をすることが特徴です。

乳がんとの見分け方

乳がんは体の表面に近い部分にできるものですので、自分で異変に気づくこともできる病気です。乳がんの見分け方には次のような方法があります。

張りや痛みがある場合

乳がんによる乳房の変化は、自己診断である程度は調べることができます。その方法は以下になります。

 

  1. 楽な姿勢で鏡の前に立ち、乳房と乳首の形や大きさに変化がないか確認します。

  2. 次に両腕を上げてみて乳房と乳首の形や大きさの変化を調べます。

  3. 仰向けの寝た姿勢で片腕を頭の下に回し、もう片方の手の4本指を使って乳房の内側、中央、外側の順番で指を滑らして、しこりがないか調べます。

  4. 最後は起き上がってワキの下に手を入れてしこりの有無を確認し、乳首を軽くつまんで血液の混ざったような異常な分泌物がないか調べましょう。

 

自己診断は月に1回を目安に定期的に行うことがポイントです。

定期検診を受けよう

乳がんは自己検診と合わせて定期検診を受けることが早期発見のために重要です。定期検診では、問診、視診、触診、マンモグラフィ検査、超音波(エコー)検査などで乳がんを調べます。これらの検査から、さらに詳しい精密検査が必要と判断されると、細胞診と組織診を調べることになります。これらの検査の結果から、乳がんの診断がくだされるのは約2%といわれており、乳がんが見つかっても早期のがんは適切な治療を受けることで、ほとんどが治るとされます。40代からは乳がんの発症率が高まる年代ですので、2年に1回は定期検診を受けることが推奨されています。

乳がんリスクがある場合とは?

乳がんは40歳以上という年齢の他にも次のようなリスク要因があげられます。

 

  • 初潮年齢が早い

  • 閉経年齢が遅い

  • 初産年齢が遅い

  • 出産経験がない(または少ない)

  • 授乳経験がない(または短い)

  • ホルモン補充療法(HRT)を続けている

  • 経口避妊薬の長期使用

  • 家族に乳がん患者がいる

  • 良性の乳腺疾患を経験している

  • 飲酒の習慣がある

  • 閉経後の肥満

  • 身長が高い

 

これらの多くは、女性ホルモンの影響が乳がんのリスクを高めるとされ、特にエストロゲンの働きが関係していると考えられています。

乳腺に関わる症状はホルモンバランスに注意!

乳腺に関わる病気のほとんどは、女性ホルモンのバランスの乱れによる影響が大きいです。女性ホルモンの分泌は生理や妊娠だけでなく、年齢によって変化をしていきます。乳腺は内臓の病気と比べて症状を自覚しやすいことも特徴の一つです。ホルモンバランスが乱れやすい年代は特に注意をして、日ごろから乳房に異変がないか自己診断を行い、定期的に検診を受けて、乳がんのリスクを避けるようにしましょう。

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